節句人形小百科


五月人形は機械生産ではなく、すべて手作りということもあり、必ずしも左右対称につくることができません。
兜吹き返しの左右、しころの糸の通し方など、職人たちがより良いものをつくる努力はできても、完璧な形に仕上げることは難しいことをどうかご理解ください。



右寄せの画像 Q1鍬形にキズの様な跡があるのですが・・・

鍬形は、職人さんが一つひとつ鍬形台に差し込んで、締め具合を点検しているものがあります。
その場合は跡が付いてしまう場合がございます。手作り、丁寧な点検の証だと思っていただければと思います。


右寄せの画像 Q2兜、頭のてっぺんの穴は何ですか?
   龍の飾り(龍頭)を差す所?


「八幡座(はちまんざ)」と呼ばれる丸い穴が開いていてそこに龍頭(りゅうず)を差してしまう場合が多いようです。
八幡座は兜をかぶった時に頭が蒸れないように通気口として開けてある穴なのです。
また、神の住む神聖な場所とも言われ穴に指を入れることは固く禁じられていたそうです。


右寄せの画像 Q3兜のあごの紐をほどいてしまい、結び方がわかりません

「忍び緒(しのびお)」と呼びます。何種類かの結び方がありますが、基本的に結びを解くことはしません。
簡単な結び方の場合は解いても結び直しは容易ですが、「総角(あげまき)」など独特な結び方の場合は一般の方では簡単には結べません。
できる限り届いたときの状態でお飾りいただくことをお勧めいたします。


右寄せの画像 Q4兜、鎧、弓太刀等の房(ふさ)を巻いているセロハンは、
   取ってもよろしいのでしょうか?


セロハンは房が乱れないように巻いているものでありますので、そのままお飾りいただいてもよろしいかと思います。
取る場合はハサミなどを使用し、引っぱらずに優しく外してください。


右寄せの画像 Q5箔押し屏風の仕上がりが・・・

箔押しに使われる金箔は、金や真鍮などをたたいて、1万分の2〜3ミリの厚さまで伸ばし、15cm四方位にカットしたものです。
製作時には、これを一枚一枚手作業で貼っていきますので、箔と箔の継ぎ目やシワ、貼る時に裂けてしまったところの跡などが目立つ場合があります。
これは作業工程上かつ製品の特性上、やむを得ないことなのです。


右寄せの画像 Q6屏風に繊維のキズみたいなものが
   多数あるのですが・・・


これは「絹しけ」といって、絹糸織物に和紙を裏打ち加工したものです。
この絹糸は、蚕の糸を数十本合わせてつくられるために、不規則な糸の太さや紬が表れ、写真のような織段や糸玉が生じます。
これは、100%絹織物でなければ出ない風合いと言えます。


右寄せの画像 Q7「弓太刀」の矢の羽が乱れていますが・・・

弓太刀の羽は天然羽(雉など)を使用しています。羽の乱れは、弓太刀をしまう時に羽が乱れたことも考えられます。
羽は指でなぞるように、羽先をそろえてください。直らない場合は販売店に問い合わせてください。


右寄せの画像 Q8「弓太刀」に弓に木の皮みたいなもの(籐)が
    まかれていて、ささくれみたいなものが・・・


籐(とう)は天然の物をそのまま使用しているので、ささくれたり、色が変わっている部分があります。
天然素材であるために起こる現象ですので、ご理解ください。


右寄せの画像 Q9屏風の間に隙間が・・・

畳やフローリングの上に飾っても、その床がガラス面のように平らでない限り、飾り台の下や2枚に分かれている屏風の間に隙間が空くことがあります。
余りにも気になる場合は販売店に問い合わせてください。